<中国地震>氷点下の被災地 広がる喪失感 「孫はもう…」(毎日新聞)

 【玉樹(中国青海省玉樹チベット族自治州)米村耕一】中国青海省での地震発生から3日目の16日になっても、被災地では十分な飲み水や食料がなく、避難民たちは路上に布団を敷いて生活する状況が続いている。中国各地から投入された救援隊も高山病のためスローペースで活動せざるをえない。17日朝には、生存率が著しく低下する「地震発生後72時間」を迎える。被災地では、住民から「もう助からない」という声も漏れていた。

 「うちは孫2人を含む3人、あっちの家は8人、そっちは5人だ」

 被害がもっとも激しかった玉樹県結古鎮。がれきの山と化した住宅街で、チベット族の男性、ザードーさん(67)が絞り出すような声で、自宅と周辺の行方不明者の数を挙げた。倒壊した家々をさす指が震える。

 14日早朝、ザードーさんは農作業をしていた近くの畑で激しい揺れに襲われた。急いで戻った自宅は、コンクリート製の屋根が完全に崩れ落ちていた。「孫は5歳と6歳。可愛い盛りだった」

 一帯は100軒あまりの住宅密集地。中国共産党結古鎮委員会の事務所前で、がれきの下には高級車も埋まっている。必ずしも貧しい地区ではなさそうだが、原形をとどめている家はわずか数軒。母屋は倒壊し、立派な門だけが立っている家もある。

 16日朝、救助犬を連れた救援隊が回ってきた。

 「誰かいますか」

 救援隊が一軒一軒声をかけるものの反応はなく、孫2人が閉じこめられているはずのザードーさんの自宅の捜索もわずか数分で終わった。ザードーさんは「水や食料も届かないし、救助が遅い」と不満を口にした。

 海抜3700メートル前後の被災地は4月中旬でも夜間は氷点下10度近くまで下がる。2晩が過ぎた16日には生存への期待が急速に下がりつつあるのが現実だ。

 物資不足も深刻だ。暴動は起きていないが、支援物資を巡るトラブルは相次いでいる。玉樹県中心部の路上で15日夜、親族から届いた飲料水や食料の箱を手にした女性の周りに人が集まった。「少し分けてくれ」。「だめよ。これで数十人分なんだから。余分はないわ」。女性に食い下がった男性は、ペットボトルの水1本を奪って走り去った。

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